
空き家再生プロジェクト リポート①
2017年02月03日
昨年夏、空き家の相談がありました。
場所は田園都市線「桜新町」徒歩10分の場所で閑静な住宅街にあります。

敷地延長の間口
この土地は公道と約1.5mしか接しておらず、いわゆる「不適合接道」です。当然建物を建て替えること
が出来ませんので、既存の建物を活かしてのプランニングしか道はありません。

庭には憧れのウッドデッキを付けたい
しかしこちらの物件は、駅から近く駒沢公園にも近い(徒歩7分)、庭や物置もあり居住用住宅として
十二分に魅力を有してます。 本当に羨ましい環境にあります。
社内で検討した結果、既存建物をリノベーションし「提案型賃貸住宅」をやってみよう!という
ことになりました。 ここにユアーズ空き家再生プロジェクトが始まりました。

50歳の木造住宅
昭和42年築の木造2階建ての建物は築年数は古いものの管理状況は良く、手を入れれば使用は充分可能のようでし
た。しかし躯体の耐震性については調査が必要となります。
耐震診断を行いますと評価は良くなく『倒壊の可能性が高い』でした。
診断をした建築士の話によりますと、この築年数の建物の多くは同じような評価になるとのことでした。
幸い一部布基礎に亀裂があるものの、土台等木部に白アリの被害はなく、耐震補強工事で許容強度を得られること
が分かりひと安心です。

1階の和室

2階の6畳和室
内装ですが、さすがに築50年の木造住宅は時代を感じさせます。
そこでリノベーションのコンセプトを〝オシャレな古民家風戸建〟としました。
仮想募集対象は〝自然と昭和の雰囲気愛する若いカップル〟です。
スタッフの打ち合わせで”昭和の雰囲気を残しながら洋風なデザイン”に変更をすることで一致しました。
畳の部屋は真壁を生かして洋室に変更します。壁や天井、柱、長押は塗装を施し既存のものを利用し
仕上げることにしました。
床の仕上げは雰囲気のある店舗用ウッドフロアーを貼ります。

キッチン

お風呂はバランス釜です。
賃貸住宅の場合、入居者が建物で一番気になるのが水回りです。(特に女性はここが一番重要)
そこで今回は浴室・トイレはフルリフォーム、キッチンは新品に交換など、古い建物のネガティブな
部分について一新することとしました。
そしていよいよ詳細な計画に入っていきます。
間取りは1LDK、床面積は56㎡で、間取りのわりには余裕の広さです。
既存建物をそのまま利用しますので、間取りの変更は出来ません。耐震工事と室内の現代化工事
のみです。
限られた予算の中でこの建物をいかに現代風に演出していくか、担当者の腕の見せ所です。
まず1階ですが、リビングとなる和室の押し入れをクロゼットに変更することにしました。
押し入れ後ろの壁面を耐震補強しますので、いずれにしても全撤去しなくてはなりません。
リビングと調和のとれる面材を使用した背の高い扉を依頼しました。
また、そのリビングとキッチンとの一体感を出すために、冬の寒さは多少気になるものの
潔く引き戸を撤去することにしました。
仏壇やタンスの置いてあるスペースはスタッフでも議論が分かれました。
撤去するか、残すか… 絞りの床柱もあるし
結論としては予算の関係もあり残すことになりましたが、果たしてリビングとして調和出来
るかが心配です。
庭に面した掃出し窓にはコンクリートの沓脱石が設置されていますが、ここに奥行180
cmのウッドデッキを設置することにしました。
庭 → ウッドデッキ → リビングと、繋がりのある空間が演出できれば最高です。
1階の和室の掃出し窓は雪見障子が奢られており、当然そのまま利用させていただくことにし
ました。 雪の日が楽しみです。
リビング以外の廊下・キッチン・2階個室はリビングと同じ雰囲気でいくことにしました。
仕様や予算も決まり着工です。 つづく